田端到 『図解 プロ野球「新・勝利の方程式」』
田端到 『図解 プロ野球「新・勝利の方程式」』(講談社+α文庫 2007年)
現在のプロ野球界を、個性的な監督が集まる「監督戦国時代」と評する著者が、おなじみデータスタジアムの協力を得て、12球団各監督の采配を検証した一冊です。
特に、落合監督と岡田監督については、丸々1章を費やすほど力が入っています。
本書で、「のびのびノーサイン采配」と評された岡田監督。
著者は、一昨年の今岡の5番起用や藤川のセットアッパー抜擢などを挙げて、岡田監督は「試合前の采配」が優れていて、「試合中の采配」を対象にすると、優秀さが見えてこないと岡田監督を支持しています。
確かに、指摘は理解できますが、逆に言えば、試合前に失敗すると、もうその試合はダメという解釈もできますので、やはり、試合中の采配が大切だと思いますが。
著者も言及しているように、実際、JFKを要しながら、岡田監督の1点差ゲームの勝率は芳しくありません。過去3年間で3つの負け越しです。ドラゴンズが、勝ち越していることを考えると、この辺りにタイガースの弱点が見えてきます。
また、自由に打つことを重んじる岡田野球を、本著では「ストロングスタイル」と呼んでいます。
個人的には、「ストロングスタイル」と、ドラゴンズのような守りを基本にした緻密な野球と比較したとき、前者が後者を凌駕しているポイントが、すぐには見つかりません。落合野球はつまらないとも言われますが(かつての森西武も同様)、それに負けていてはもっとつまらないのではないでしょうか。
ご都合主義的な面もある一方、各監督への鋭い指摘も多く、なかなか楽しめます。最終章の「日本シリーズの法則」も、一般的に言われていた短期決戦型のチームとはどういうものか、数値で示そうとする試みは興味深いです。
文庫のため値段も手頃ですし、かなり読みやすい一冊です。
