『野球の見方が180度変わるセイバーメトリクス』
『野球の見方が180度変わるセイバーメトリクス』(宝島社 2008年)
マイケル・ルイス『マネーボール』やレッドソックスの成功などで、近年、日本でも注目されるセイバーメトリクス。
打率、打点のような、従来使用されてきた野球選手の評価指標に一定の疑問を呈し、OPS(長打率+出塁率)といった新評価指標を提示し、新たな野球観を提供してくれたセイバーメトリクスは、そのエポックメイキング的な魅力ゆえに、多くの野球ファンの心を躍らせてくれました。しかし、一般の野球ファンには、なかなか実態がわかりにくかったのも事実。
本書は、そんなセイバーメトリクスの入門書として最適の一冊だと思います。
先にあげたOPSのような古い部類の指標から、WS(チームの勝利への貢献度)やBABIP(本塁打以外の打球でフィールド内に飛んだ打球が安打になる割合)に代表される新しい複雑な指標まで、日々進化するセイバーメトリクスを簡潔に紹介してくれています。
昨年の藤川の驚異的な活躍やガイエル(ヤ)、岸田(オ)、栗山(西)といった隠れた注目選手の存在などが、データ的な裏づけから見えてくるのは、非常に楽しいです。
ちなみに、タイガースの各イニングの先頭打者の生還率は37%とリーグ最低。いわゆる「あと一本」が、データ的に裏付けられています。先発の整備も不可欠ですが、打撃陣の強化も急務です。
四球を重視、犠打よりも強攻策、盗塁は控え目、セイバーメトリクスにより生まれてきた新たな戦術の一つですが、どこかで聞いたような話と思っていたら、本書でもセイバーメトリクス的思考を持つ監督として、岡田監督が紹介されていました。
正直、退屈と感じてしまう岡田野球ですが、これが新たなデータ野球なのか、それとも放置野球なのかは興味あります。セイバーメトリクス=放置ではないと思いますが。
