ゆでたまご 『肉萬 キン肉マン萬之書』
ゆでたまご 『肉萬 キン肉マン萬之書』(集英社 2008年)
好きなマンガ・ベスト3は何かと問われても、『キン肉マン』は入らない。
もはや単なるマンガという領域を超えて、他のマンガとは一線を画した存在。いわば、自らの血となり肉となって吸収された特別な存在。それが『キン肉マン』なのです。
そんな『キン肉マン』が今年、生誕29周年を迎えたことを記念して発売された『肉萬』。もちろん、見過ごすことはできません。
嶋田先生と各所に突っ込みながら振り返るストーリーや全キン消しコレクションの解説もすばらしいですが、ウォーズマンの少年時代の読み切り漫画は秀逸です。「機械の血」という意味不明な設定に、手術による後天的な特質の遺伝、ウォーズマンの本名など、次々と飛び出すゆでたまごワールドに完全にKOされました。
どうでもいいことですが、ゆでたまご先生の中では今更ながら、ウォーズマンがマイブームのようです。
先生は、相変わらず読者の想像の斜め上を行きながら、読者の期待に応えるという“超人技”をいかんなく発揮し続けています。
よりおもしろくするためには、前週の設定をあっさりと捨てる勇気と潔さ。得意技の“後付け”も、読者をより一層楽しませるための表現方法の一つだったことが、改めてわかりました。失敗を恐れずに、己の信じた道を進むゆでたまご先生と『キン肉マン』は世界の、少なくとも我が家遺産に認定されています。
追伸。土曜日に『肉萬』を購入し、嫁さんと『キン肉マン』について語り明かした挙句、日曜日の昼食はすき家に牛丼を食べに行きました。
