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2008年10月28日

鈴村裕輔 『メジャーリーガーが使いきれないほどの給料をもらえるのはなぜか?』

鈴村裕輔 『メジャーリーガーが使いきれないほどの給料をもらえるのはなぜか?』(アスペクト 2008年)

申し訳ありませんが、完全にタイトル倒れ、または看板に偽りありと言わざるを得ません。
本書のタイトルにもなっている問いに対しては、「メジャーリーグが拡大路線を歩んできたから」という、きわめて漠然とした解答が、大雑把なメジャーリーグの歴史と共に提示されているだけで、何も新しい発見はありません。

この著者の本を読んだのは初めてですが、本書に掲載されている経歴によれば、法政大学の研究員で、野球史の研究家だそうです。しかし、この本が、まがりなりにも学術の世界で野球史を研究している専門家による最新の研究成果だとすると、日本のスポーツ研究という分野は、相当の距離をおいて、欧米の後塵を拝していると思われます(この本が、たまたまそういう存在だったと信じたいですが)。

そもそも本の主題が曖昧な上、著者の主張とその裏づけがあまりに漠然としています。
タイトルから察するに、社会経済的な側面からメジャー式経営に切り込むのかと思いきや、ただ歴史を淡々と述べるに留まるのみです。最後に、メジャーリーグの環太平洋地域への進出の提言らしきものもありますが、それまでの内容が希薄なため、酒飲み話の域を出ていません。

帯にある「最新のデータを駆使して分析、解説」とは、具体的に何を指しているのか理解に苦しみます。僭越ですが、メジャーリーグ情報に容易に接することができるようになった現在、“専門家”の手による著作がこの程度の内容で許されるのでしょうか。

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